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長野市にある漢方とハーブのお店なつめや

漢方とハーブのお店 なつめや

長野市にある漢方とハーブのお店なつめや
2018/11/10

風邪の漢方・養生

風邪をひいた時の漢方や養生

風邪には葛根湯、といつからかよく言われる様になりましたが
実際は私はほとんど使うことがないです。
漢方薬局屋ですが。
葛根湯を飲んで風邪を改善させていくタイミングが大切です。
風邪の初期の初期にゾクゾクする〜という時に
飲んで、お風呂はいって(私は入ってしまう)、汗をしっかり
かいて風邪の症状を汗で散らす、ということができれば
成功です。高熱でガッと治すというのに葛根湯は使えます。
こういう手法を辛温解表、汗法と言います。
ただ、葛根湯が家にない時もありますから、そう言うときは
大量のネギを刻んでお味噌汁に入れて
一気に身体を温めます。お風呂も熱めのお風呂にさっと入って
汗が出始めたら上がり、お布団にくるまって汗をしっかりかくことです。
汗をかき始めたら栄養補給です。
すりおろしリンゴやはちみつレモンなどを頂くと
糖分や潤す作用のもので汗をかいて乾いてしまうと言うことは
防げます。

しかし、汗をかかせることができず、ぼーっと
熱っぽい症状が続いてしまうとそれはもう、体の中に風邪の
邪気が入り込んでしまっているので、そうなると葛根湯で
温め続けていると体力が消耗したり、喉が乾いてきて
空咳が出たりし始める。
そうなると、葛根湯ではないんですよね。
体の熱をとる様に潤してあげたり、
体力を上げていきながら熱を下げる様な漢方に
切り替えていきます。
今年は夏に汗をかいてだいぶ体の中が乾いている方が多いためか
風邪をひいて熱は取れたけれどいつまでも
喉がイガイガしたり、空咳が出てひどいと喘息気味になってしまって
という方もいます。
お腹を温めながら潤してあげるのが大切です。
食べ物でも蜂蜜やレンコン、アーモンドミルクなどで
肺を潤す食養生ができます。
乾いた咳が少しずつ痰が絡み始めたら潤いが出てきているので
肺を温め始めたりします。
その場合は背中にホッカイロ。
特に首の後ろを少し下がったところにポコっと骨が出ている
場所に『大椎(だいつい)』というツボがあります。
様々な邪気の出入り口になりやすい場所ですが
その辺りにホッカイロを貼ってあげると
肺も温まりやすく、風邪が改善しやすくなります。
普段も首・肩が凝りやすいと言う方はここに
小さめのカイロを貼っておくと良いです。

ただ、風はこじらせると大変なので、養生なんとかできる
体力のある方や、時期を読み間違えないことが大切ですね。
どの人にも養生法だけで治せるかといえばそういうことでも
ないですし、体力が消耗すると治りにくくなってしまいます。
また、小さなお子さんなどは熱が上がりすぎると脳に影響を
残しかねないので、早めの対処がとても大切。

風邪を引く、長引くということはそもそも体の免疫、抵抗力が
落ちているということですが、それは自分の体を守る
エネルギーが不足している、ということです。
睡眠をしっかりとり、体を温め、よく食べて
体のエネルギー回復をすることが大切なのは言うまでもありません。

今年は夏の影響が体に残っている人が多く
体が冷えていたり、乾いたりしているため
抵抗力が落ちています。インフルエンザやその他の風邪が
身体に入りやすい状態になっていますので
できるだけ日々の養生を大切にしてください☆

 

 

2018/11/06

『立冬』冬の始まりと養生

『立冬』冬の始まりと養生

秋の土用が明け、明日は『立冬』となります。
いよいよ冬が本格的に始まります。

寒くてすでに手足が冷えている方もいて
今年は冬のスタートが唐突に始まったような感じもします。
夏が暑かったために冷房を効かせていたり
体を冷やすものをたくさん飲食していた方が
冷え感が強く出る可能性もあります。

自然の摂理とエネルギーの変化


『冬』というのは来年の春に向けてエネルギーを貯める時期になります。
このような時期に何かを新たに始めるよりも
エネルギーを浪費せず、貯めることで春からのスタートが
スムーズになります。

東洋医学では春は発生、夏は成長、秋は収穫、冬は閉蔵というリズムに沿って
自然のエネルギーが変化していくので、それに人間の生活も合わせていくことで
自然に逆らわず、心身が整い、自然免疫も培えると考えられています。
これは紀元前から脈々と受け継がれてきた東洋医学の智慧』です。

一年のうち、最も太陽のエネルギーが弱まるのは『冬至』となります。
立冬から冬至までは日毎に季節のエネルギーのうち体を温める『陽』のエネルギーは
減っていく一方です。体を冷やしやすくなる『陰』のエネルギーが強くなります。
来年の『立春』からようやく春の兆しを感じ、春分から『陽』のエネルギーが再び
芽生え始めます。それまではじっと体に食べ物からのエネルギーを貯めていく時期、となります。
冬は体重が増えるのは当然のことなんです。
また、春になれば、蓄えたものを消費していきます。
しっかり貯めておくことができないと、春になってぼんやりしたり
だるい、なんていうことになってしまいます。
冬はエネルギーの積極的な発散はできませんが、来春に向けて
色々な計画を立て、準備に充てる大切な時期なんです。

自然のリズムに合わせた生活


汗をたくさんかくような激しい運動は避け、
朝はゆっくり目に、夜は早めに就寝するように心がけます。
体の気血は内臓を守るために体の深部に集中していくため
体の表面は冷えやすくなり、特に背面の肩や背中、腰などが
冷えやすくなります。
ホカロンを用いるのも良いですが、体をほぐすように
ラジオ体操や気功体操、ヨガなどをしたり足裏・ふくらはぎなどを揉んで
下半身に溜まって冷えやすくなる血流を改善するよう
自分から『動く』ということも大切です。
外から温めるだけでは流れは改善しにくい、ということですね。

食べ物は黒いものを中心に

冬の間は身体の五臓のうち『腎』が弱りやすい、と考えられています。
『腎』は腎臓の働きだけでなく、東洋医学ではホルモンの分泌や
成長、発育、老化など人の生命エネルギーそのものを支配しています。
寒くなってきてから腰から下が冷えやすい、朝方にトイレに起きる
下痢しやすい、という方は冬の時期の過ごし方がとても大切になります。
そして、『腎』という働きを活発にする食材は『黒いもの』というのは
東洋医学界ではよく知られたところです。
代表的なものでは黒豆や黒ごま、黒きくらげ、黒米などがあります。
また、木ノ実のクルミや栗、山芋なども補腎(ホジン)食材として
中国や台湾などでは積極的に食べられています。
毎日、このうちの一つでも食事に取り入れていただくと
『コツコツの養生』となります。
・参考記事:栗は身近な薬膳食材


冬の始まり、来春への準備期間。
自然のエネルギーの移り変わりに自分の生活も
変化させていく、というのが『養生』。

冬養生を味わい、そして春を待つとしましょう。

・今月の気功養生講座は28日の上田アリオさんとなります。
・来月のカネマツ講座は黒豆味噌作りがメインとなります。
近日中に詳細をお知らせします。

2018/11/02

なつめや11月の予定

なつめやの11月の予定

霜月となり、本当にいつ霜が降りても不思議ではない
寒さの朝夕となりました。
11月7日に立冬となる前から冬を感じるような
急激な季節の変化で風邪をひいている方も多いようです。
特に空咳が続いてなかなか治らない、インフルエンザが
早くも流行したり、風疹が大流行したりと
今年は様々な病気が秋冬にはやる可能性が
強いと感じています。

というのも、夏にかなりの暑さで汗をたくさんかいて
気血が消耗しているだけでなく、暑かったために
冷房を効かせていたので体の芯は冷えている可能性があります。
通常、夏はあまり冷やしすぎないようにして
冷えを改善していくと良い、という季節なのですが
今年は流石にそのようなことはできませんでした。

血の消耗により体の中から乾きやすくなり、
気の消耗により免疫も落ちています。
今からでも気血をしっかり補充して風邪予防に努めてください☆

身近な食材では蜂蜜レモンや、生物は食べず(野菜も魚も)
すべてのものに火を通し、食材にとろみがつくような
感じにすると乾き感がとれやすくなるかと思います。
白っぽい食材、例えば白ごまやだいこん、レンコンなども
体を潤しやすい食材となります。
片栗粉や葛でトロミをつけた餡や鳥手羽や豚バラなどの
少しコラーゲンの含んでいるような部分を
使うなどすると体もしっかり気血が満たされやすくなるかと
思います。鍋は楽に色々な食材を摂れますね☆

さて、11月の予定です
・毎週水曜日に加えて
・12日〜15日まで
・22日(木)は午前中
・4日(日)・17日(土)・29日(木)がお休みとなります。
カレンダーでご確認ください。

☆講座は
・22日:五行オンライン講座
・28日:上田アリオ気功養生講座
となります。
詳しくは講座情報をご確認ください。

2018/10/23

産後の養生がなぜ大切か

産後養生がなぜ大切なのか

産後養生について日本はあまり、重要視されてきていなかったように
感じますが、ここ数年の間に少しずつ必要性が見直されてきて
対応する自治体も増えてきました。
ただ、一般女性の認識の方がまだまだなのでは?と思うことがあります。

 

産後に体調を崩さなければ、産後養生は必要ない?!

出産前後に体調を崩さなければ、体を立て直す養生期間は
必要ではない、もしくは早く社会復帰したい、と思う方も
多いかもしれません。
政府も女性の社会復帰を早くさせるような政策ですが・・・。

出産という大仕事は大出血を伴うものです。
そして、その後も昼夜の区別なく、生まれたての赤ちゃんを
育て、食事する時間もままならず、授乳し、という生活になります。
母乳は東洋医学では『白い血』として考えられ、
授乳するというのは毎日献血しているのと同じくらい
気血を消耗する行為となります。

血が不足してくるので(血虚)髪の毛が抜けたり、白髪が
一気に増えたり、目が疲れやすくなり急に視力があったしたり。
また、血虚になると脳の栄養も不足するため
眠れない、自律神経が不安定になるなど、いわゆる『産後うつ』の
状態が出やすくなります。
産後うつは、もともと出産前から血が不足していた方や出産時に大出血を
伴った方に増えやすくなると考えられます。
また、筋肉が血流の悪化に伴い硬くなるため、産後にリウマチを
発症される方もいます。
産後うつも、リウマチも別々の症状ですが、東洋医学では
どちらも気血の不足から生じてくると考えます。

こちらも参考に:『視力回復と薬膳・養生』


第二子妊娠は産後の養生次第

最近は一人目の妊活だけでなく、二人目の妊活の相談も増えていますが、
産後の養生次第です。
出産で子宮が下垂したままになっていて、着床しにくく、
また、流産しやすい可能性もあります。
妊娠は母の生命力を子に分け与えるので、お母さんの生命力そのものが
ガツっと落ちています。それを東洋学では『腎虚』と言いますが、
腎虚を早く回復させていくためにも産後養生はとても大切なことなのです。

こちらも参考に『先天の精と人の一生』


産後養生は臨月から始まっている!

なつめやでは妊活されている方は継続的に
腎を補う漢方薬を少量でも飲んでいただいているケースも
あります。また、産後半年過ぎからまた服用して
体を回復させたいというご相談もあり、早い段階から
体の回復に漢方薬をご利用いただいています。
それが結果的には、体の回復だけでなく、第二子、第三子に
繋がりますし、その後の女性のホルモンの変化に伴う
体の不調の予防線になっていきます。

もちろん、食事を含めて色々な視点からアドバイスさせていただいております。
産後は妊娠中に太ったからダイエット〜などと激しい運動をしたり、
極端な食事制限は東洋医学的には危険な行為とも言えます。

産前産後の体のことでご相談をご希望される方は
遠方であればskype,zoom,FBなどで対応できますので
ご連絡ください。
ご予約はこちら→
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2018/10/21

薬膳とごま油の使い方

薬膳とごま油の使い方

色々な油があり、それぞれの産地などによって
薬膳的な性質の違いがあります。
ごま油も日常的に使うことが多い油の一つかと思います。
毎日使う調味料ですから、少し薬膳的な視点で
油を選んでみると料理の味もですが身体も変化してくるかと思います。
まずは白ごま・黒ごまについての薬膳的な性質の違いを
知っておくと、季節や身体の状態で選びやすくなるかと思います。

白ごま・黒ごまの違い

良質なたんぱく質、不飽和脂肪酸などの脂質、カルシウム・鉄などのミネラル類などを豊富に含みます。滋養強壮作用があり、日本でも忍者食や仙人食のようなものに
使われていたと言われています。
脂質の中でもビタミンEが豊富なので血流を改善させてくれます。
どちらも栄養学的には大きな違いはないと言われていますが、
薬膳的には性質が違うので自分の体質や季節によって
使い分けできると良いかと思います。

白ごまは身体を冷やす性質があり、肺・大腸・脾の臓腑に働きかけ
ます。便秘の改善や、皮膚の炎症などがある方、また、暑い時期には
白ごまを選んだ方が良いかと思われます。

黒ごまは身体を温める性質があり、肝・腎に働きかけます。
特に冷えやすい方、肌が乾燥したり、髪の毛の白髪が気になる方
目が疲れやすい方、は黒ごまがオススメ。
妊活されている方などは黒ごまをよく使う料理を
意識してみるといいですね。(お通じがゆるい方は使いすぎに注意です)
また、冬は黒ごまを使ったほうれん草の胡麻和えなどはとっても簡単な
薬膳となります。

ごま油は種類によって用途を変えてみよう★

さて、ごま油ですが、白ごま油はそのままスプーンで
飲めば、便秘解消につながり、
皮膚の炎症がある方は白ごま油を塗ると良いです。
白ごま油は主に調理用で使います。

黒ごま油や焙煎圧搾されたものは調味料として
最後にふりかけごま油の香りをつける風味付けに
使います。

焙煎圧搾されたものをさらに高温で調理にするというのは
せっかくのゴマの中にある不飽和脂肪酸の
働きを低下させてしまいかねません。

不老長寿の油と言われるごま油
最後に一振りして使う方がごま油の特性を
活かしきって使っていきましょう☆

こちらもご参考に
『視力回復と薬膳養生』

2018/10/19

秋の土用と養生

秋の土用と養生

明日、10月20日は『秋の土用入り』の日となります。
土用明けは11月6日、7日は『立冬』となります。

『土用』という期間は年に4回巡ってきます。
立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間が土用期間となり、
例えば今回は秋の土用で土用明けに『立冬』となり、
冬に向けて秋の疲れを取っておく期間、体を立て直す期間となります。
今年は猛暑から9月は毎週のような台風に翻弄され
その後は急激な冷え込みとなり、身体は自分が思っている以上に
疲れています。それが、実感できなかったとしても、
なんとなく胃が重たい、寝ても疲れがとれない、
なんとなく風邪っぽい、のような感じで『なんとなく』
の不調として現れているかもしれません。
風疹が今は流行し始めているようですが、この時期に
体調を立て直しておくことで秋以降の感染性疾患の
予防にも役立ちます。

秋の土用は次の『冬』に向けての体の立て直し期間。
冬には五臓の『腎』の働きが低下しやすく
ホルモンの分泌が弱くなり、月経不順が現れたり
血流の悪化で節々が痛み出したり、
夜間のトイレや、物忘れが進行しやすくなります。
いわゆる『老化』が進みやすい時期です。
冬になってから色々な対策をするのではなく
今のうちから冬に備え、『腎』の働きを補っておく、
それが自分の生命力や免疫を強化していくことにつながります。

秋の土用の養生で冬に備える

土用の時期は無理をせず、身体を休める時期。
特に『土』の時期は胃腸にトラブルが出やすいので
油っぽいものや甘いもの、ナマモノは控えて
特に下半身や腰を温めるようにしましょう。
激しく汗をかくような運動は控え、できるだけ
体力を温存したい時期です。
食べ物では黒いもの、黒豆や黒キクラゲ、黒ゴマ、ひじき、や
木ノ実の栗、クルミ、山芋などを積極的に取り入れたり、
足湯などを心がけて見てください。
『腎』を守る、というのは自分が自分、家族のためにできる
最大の養生ですよ☆

冬に向けて自分の身体について意識を向けていくのも良いですね。

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2018/10/15

冷え性のタイプも様々

冷え性のタイプも様々

一言に冷え性、と言っても色々あります。
カウンセリングでも冷え性のご相談では
何が原因でどこが冷えているのかを詳しく探り、
それに対応した漢方薬をお作りします。

冷え性で手足の末端が冷えるのか、お腹が冷えるのか
腰が冷えるのか、お尻が冷えるのか、全身が冷えやすいのか
体温はどうか?など細かくお伺いします。

・体温そのものが低いタイプ
・末端冷えタイプ
・お腹・腰冷えタイプ
・冷えのぼせタイプ

に大きく分けて考えていきます。

 

☆全身が冷えやすいタイプ

体温が34度台〜35度台で身体のエネルギーそのものが低く、
胃腸やホルモンバランスなども弱いケースがあります。
そのため、全身を温めながら胃腸の働きを活発にします。
元々のエネルギーが弱い場合を『腎』の力不足と考えることもあります。
エネルギーをしっかり食べ物から取り入れ、循環させて
いくようにしていきます。気血の両方が不足しやすいため気血を補い、
温めることがメインになります。
食べ物では辛いものや刺激の強いものは控えて、胃腸に優しいもの、
タンパク質、また、黒い食材を少量ずつでもいいのでこまめに取り入れる
ことをお勧めします。また、極端に体温が低い場合は甲状腺ホルモンの
問題を含んでいることもあります。

 

☆末端冷えタイプ

血流が悪いこともありますが、血が不足していることもあります。
血を補いつつ、巡らせる漢方薬が中心となります。
血が少ない『血虚』という状態は胃腸の弱さが元にある
ことも考えられますので、やはり胃腸の働きを活発にしながら
ということも併せていきます。疲れやすい方は
『気虚』を補うように、補気させることも大切です。
疲れすぎないような軽い運動もオススメです。
黒酢や青魚など血流が活発になりやすい食材を取り入れましょう。

 

☆お腹・腰冷えタイプ

お腹が弱くて下痢をしやすい、腰が冷えてぎっくり腰をしやすい
という方々は『腎』と『脾・胃』の弱さがありますので、そのどちらも
補い活発にしていくようになります。
どちらかというと『腎』を補うことを中心に考えていくと
胃腸の働きも活発になります。
糖質を控えて、山芋・長芋・黒い食材を多く取り入れるように
します。夜も早めの就寝を心がけてください。

 

☆冷え・のぼせタイプ

のぼせるタイプの方は基本的には体力はある方々で
ストレスなどがたまりやすいことがあります。
下半身は冷え、上半身はのぼせるため、全身を温めるというよりも
血流を改善させ、下半身のみをしっかり温めていきます。
軽い運動やヨガ・気功などでストレスの元になっている
『気』の流れも改善させていきます。少し汗をパッとかくぐらいの
運動がオススメです。
食材では糖質を控え、血流を改善させやすい黒酢・青魚
などもい良いですが、柑橘やハーブなどをお使いになるのも
お勧めです。

ざっくり4タイプに分けましたが実際は複雑に
混在していることもあります。
どのタイプの方も共通して、おすすめなのは『足湯』です。
参考記事:足湯でそろそろ冷え対策を

これから寒くなる一方ですので、気になる方は
一度ご相談にいらっしゃってください。

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・なつめやのご相談予約
・養生について
学びたい方:講座情報


 

2018/10/12

更年期とライフステージ

更年期とライフステージ

代表的な更年期症状というものが現れ、
年齢的なものを考えた時
自分も更年期なのかな、と考える時期がやってきます。

しかし、更年期というのは具体的に何歳〜というものではなく
人それぞれ症状の現れ方も、男性も更年期症状というものが
現れることがあり、人知れず、苦しんでいる男性もいるのです。

とは言え、東洋医学では女性は7の倍数、男性は8の倍数で
ホルモン分泌や身体の成長・老の過程が変化していきます。

女性では28〜35歳が気血が旺盛になるピークとなり
生命力が活発な時期。妊娠ズルならこと時期がやはり
一番望ましく、35歳以降は少しずつ衰えていき、49歳頃からもう一つの
下りピークに差し掛かります。
この辺りでいわゆる『更年期』の症状が現れ始めます。

男性ですと、56歳頃から男性更年期的な症状が現れてきます。

これは、あくまでも理論上の年齢です。

最近では若年性更年期症、などがありますから
年齢が若くても更年期的な症状が現れることがあります。


主な更年期症状

・下半身は冷え、上半身はのぼせる。
・急にドッと汗が出たり、寝汗をかく
・手足が急にカッと歩くなる、ほてる
・イライラしたり、落ち込んだり、気分の波が激しい
・眠れない、眠りが浅い
・動悸がする、物忘れが激しい
・抜け毛や白髪が一気に増えた
・頭痛・肩こり
などがあります。
他にもあるかとは思いますが主なものは上記のものになるかと思います。
これらは東洋医学では
〈気・血〉のバランスが崩れているところから生じていると考えます。
気はエネルギー=陽、血は体を作っているもの=陰
という陰陽の観点から観ることもできます。

陰陽をざっくり説明します(詳しい説明は後日記事にいたします)

陽は太陽・天を象徴とし、明るい・動きのあるもの・温熱のもの・気・男
陰は月・大地を象徴とし、暗いもの・静かなもの・冷えるもの、血・水・女

と区別されます。
なんとなくイメージがつくでしょうか?
この陰陽は相反する性質を持ち、互いに依存し、抑制し合います。
陽だけだと熱くなりすぎ、陰だけだと冷えすぎる。
それを互いにバランスをとりながら行き過ぎないようにしています。

女性はライフステージの中で
血を失う機会が多く、『陰』のエネルギーが不足気味になりがちです。
すると、相対的に『陽』のエネルギーが強くなります。
その陽のエネルギーが強くなると
イライラやほてり、のぼせ、動悸、不眠などが
現れやすくなります。
その一方で、陰も少ないが陽も少ないという方は
どちらかというとイライラするよち落ち込んだり、悩みがち
鬱っぽくなる傾向があります。
これは時期は違いますが、『産後うつ』も同じ理由から生じてきます。

また、五行の観点からも説明できますが、それは産後養生の記事で
詳しくかくこととします。

産後の養生と更年期

産後にしっかり、休むことができなかった、
出産時に大出血をした、
長期間、授乳をしていた
3〜4人の出産経験をしている、など妊娠時に血を失い
その回復が仕切れていないと『更年期症状』が早くから
現れたり、長く症状に悩んだり、ということになる傾向です。

そのほかの更年期になる原因

・夜勤が多い仕事をしていた
・夜は遅くまで起きている
・極端な食事制限をしたり、糖質が多くタンパク質が不足しがち
・激しく汗をかくような運動をしていた
・月経時の出血が多い

これは全て『血』が補いにくい状況です。
夜寝ている間に私たちは食べたものから『血』をつくりますが、
その原料はタンパク質です。
タンパク質を『陰』とするなら糖質はエネルギー、つまり『陽』
となり、陰が不足している状況に糖質が増えていくと熱量が
上がり、やはり更年期的な症状が現れやすくなります。
また、激しい運動で汗をかくと汗と血は同じものからできている、
という東洋医学の考え方から汗をかくほど血も失われます。

更年期症状を緩和する養生

・糖質(ご飯を除いて)は少なめに、たんぱく質は多めに
・夜は早く寝るように
・激しい運動ではなく、軽いウォーキングなどを毎日少しでも
やるように心がける

これは基本中の基本です。
けれど、これがなかなかできない〜、とおっしゃらず
やれることをコツコツやってみてください。
いろんな症状が出て、あっちこっちの病院へ行くよりも
自分が自分のために何か一つできることがあれば
それをやってみることから、色々なことが
変わっていきます。
自分の状態がよくわからない、
という方は一度ご相談ください☆

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2018/10/09

秋の乾燥は甘酸っぱさで潤す

秋の乾燥は甘酸っぱさで潤す

秋になると肌がパリーっと乾いてきたり
喉が乾いてきたり
髪がパサついてきたり
便がコロッと硬くて便秘がちになったりと
人によって『乾燥』の現れ方が違うと思いますが
秋からは乾燥に気をつけていかないと
体の中から乾ききってしまいます。
アトピーの方もじゅくじゅくから
カサーっとしてきて悪化していきやすい時期。

女性ならば乾いている、というのは
あまり嬉しくない言葉かもしれません。

体を潤す食材は梨やレンコン、白ごま、大根、白きくらげ、豆乳、牛乳、チーズ
などパッと見た目に『白っぽい食材』です。
そのほかに、『血』で潤す、ということも大切。
血虚の女性はパサつきやすかったり、涼しくなってきているのに
ほてったりすることがあります。
参考:『火照りと女性の体』

血を補う、白っぽい食材を取り入れる、いろいろな食材の組み合わせ方
ができます。
薬膳では食材の持つ特質を生かすということが大切ですが
調理の仕方、味付け方も一工夫されると
より効果的になります。

味付け方としては
『甘い』+『酸味』潤い効果を増す、ということができます。

梅干しやレモンなども思い出すだけで
唾液が出てきそうですが、
そこに少量の甘み、例えば蜂蜜を加えたり
すると甘みからの潤いもプラスされて効果アップします。
甘みというのは体に入ると水を生じますが
ベタベタした水で溜まりやすく、溜まってしまうと
『痰飲(タンイン)』となってしまい、これはこれで
厄介な存在ですから、甘みの取りすぎは
オススメしません。
(痰飲については改めて後日、説明いたします。)

我が家はレンコンをきんぴらにするよりも極薄スライスで
軽く炒めたものを甘酢で味付けします。

また、蜂蜜などは殺菌効果などもあるので
蜂蜜レモンなどは喉の潤い効果と併せて風邪予防に
秋冬は1日1杯程度は飲むと良いかもしれません。

本日は近所からざくろをいただきました。
ざくろだけでも潤す効果がありますが、
お酢に漬け込もうかと思います。

黒酢で甘酢にしていろいろな料理にお使いになってみると
血流も良くなるし、潤うし、一石二鳥的な
調味料になるかと思いますので、お試しください。

2018/10/06

漢方薬と生薬・煎じ薬

漢方薬と生薬・煎じ薬

漢方薬の原料を『生薬』と言います。
いくつかの生薬の組み合わせで漢方薬は出来上がります。
そして、漢方薬といっても
顆粒のものだけではなく、煮出して飲むタイプの『煎じ薬』も
あります。
なつめやでは『煎じ薬』を選んでいただく方が多いですが
場合によっては粉薬もご用意します。
粉薬の漢方薬を煎じ薬で作ると
全く違う味ですし、効果も・・・。

さて、この漢方の原料となる『生薬』ですが
これは産地、収穫時期、栽培期間などによって
だいぶ品質・性質に差が生じます。
野菜も果物も産地が違うと味も違うし
性質も微妙に変化します。
みなさんもご存知かもしれませんが、シナモン(桂皮・ケイヒ)も
生薬として使います。桂皮はベトナム産の肉厚のものが
最高級となりますが、口に含んだ時、とても
甘くて、本当に良い香りなんです。妊活されている方は
やはりこちらの桂皮を使った方が効果が期待できます。
(でも、めちゃめちゃ高価)

中国産のものはそこまで香り高く無く、甘みも薄い。
お値段そこそこ。

産地でだいぶ違う味と性質です。

生薬の栽培は野菜なんてもんじゃない

以前、生薬の栽培セミナーに参加して栽培の仕方を
伺ったことがあります。
例えば『当帰(トウキ)』や『芍薬(シャクヤク)』という生薬は
血を補う働きがあり女性の漢方薬には無くてはならない存在といっても
良いほどです。その当帰や芍薬は栽培して花が咲いたら花が咲く前に切り取り、
ということをして2〜3年育てるそうです。
その間、肥料も農薬も入れないので管理も大変。
根っこを生薬として使いますが、収穫後の畑は栄養が
なくなり、しばらく休ませるそうです。
人参(食べる人参では無く漢方薬に使うのはオタネニンジン)
も6年、7年と栽培したもの。
土地のエネルギーをそれだけ蓄えさせるのですから
そりゃあ威力は大ですし、金額は安くはないです。
近頃は中国人も生薬の良いものを買い占めてしまうので
日本に入ってくるものは値段が急騰しているものも
たくさん。
(いつまでなつめやがやれるかと、ヒヤヒヤものです)


そんな風になつめやの煎じ薬は『生薬』にこだわって
作っています。できるだけ多くの皆さんに、
長く続けていただきたいので価格をなるべく
抑えるように努力はしていますが、やはり
人参などが入るのは、生薬の仕入れ値自体が
桁違いになりますので、金額を上げざるを得ないこともあります。
ご理解いただけると助かります。

コーヒーもインスタントは手軽ですが、本当に美味しい
豆を挽いて入れたコーヒーは格別ですし、
別物の飲み物、みたいですよね。

そんな風に煎じ薬と粉薬の差はどうしても出てきてしまう
のは仕方ありません。

そうしてご用意する煎じ薬を二番煎じにしてご夫婦で
飲んでいただいたり、畑に撒いたりして
みなさん、最後まで活用していただいているお話を
伺うと、嬉しいな〜と思います。

毎回、仕入れている生薬が届くと
今回は品質大丈夫かな?とチェックを入れ
香りを確かめたり。
仕入先が不安定なものを送ってくると
そことの取引ではないところを探したりと
意外と漢方薬局は大変なのです(笑)
先輩の大先生に教えていただいた生薬の仕入先
も、肝心要のものは絶対教えてくれない。

漢方薬は苦いものもありますが、私個人としては
粉よりも飲みやすく美味しいです。

そして、体質に合うと症状が早い段階で変化しますし、
体質だけでなく、様々な感覚も変化してくるようですよ☆

また、生薬の中には食べるものも含まれています。
生姜や山芋、ごま、紫蘇の葉、紫蘇の実、なつめ、など。
体質に合わせて飲んだいただければ、長く飲むことが心配
というよりも、長く飲んでいても安心なものです。
ただ、その体質をチェックしていくというのが
難しいわけですが。

中国の漢方薬などは量が凄まじいものですので
長く飲むこと自体難しいですが、日本国内の
漢方薬は量も少なめなので体に優しい。

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2018/10/05

糖質断食のススメ

糖質断食のススメ

漢方のカウンセリングや、日々自分が食べているものを
観察して見ると圧倒的に『糖質』が多く、タンパク質が
不足しがちだな、と感じます。

漢方で『血虚』、つまり必要な血が不足していていたり
血虚から血の巡りが悪くなる『瘀血(オケツ)』の人が目立ちます。

体系がぽっちゃりしていても『血』が充実しているのか?
というと、そうではなく、単純に糖質が体に溜まった
ぼってりになってしまっている、という感じです。


糖質が溜まってくると

・ぶよぶよしてくる
・目の下、ほおがたるむ
・下半身が特に冷えやすくなる
・イライラしやすい
・胃がすっきりしない、下痢何便気味
・天気が崩れる前になるとめまいや頭痛、耳鳴りが起こりやすい
・水泡的なものができやすい

といった体調の変化や体型の変化が出てきます。
なんの関連性も無いように見えますが、東洋医学では
これらは全て糖質から起きてくる『痰飲(たんいん)』という
病理産物から発生してきます。
そして、この痰飲と瘀血がくっつくと『悪性物質』ができやすくなります。

そこでなつめやが提案したいのが

『糖質断食』

糖質を決められた期間、制限して、自分の味覚を
フラットな状態に戻し、体の中に溜まっている
糖質的水分を排泄させるためです。

糖質制限をずっとするのって
結構、気合が必要。
そして、糖質そのものの中身を見た時に
米・小麦などの主食になるものの糖質は
エネルギー源としては必要です。

糖質を1週間のうち2〜3日、主食の米以外の
糖質、果物やお菓子、ジュース、お酒などを
摂らない、というそれほどストイックでは無い断食。
米もできれば少なめにして
タンパク質やミネラルの入った海藻などを
多めに摂るようにしていただくと良いかと思います。

糖質断食のポイント
・嗜好品の糖質・果物・飲み物は摂らない
・主食となる炭水化物は小麦以外はOK(ご飯・そばなど)
・タンパク質は動物性・植物性のどちらも1日のうちに取り入れる
・野菜・海藻類なども取り入れましょう
・朝・昼は炭水化物である主食多めにして、夕飯は炭水化物を抜くか減らす。

炭水化物を減らすと、タンパク質を燃料に燃やし始めますが
効率が悪いですし、それだけ多くのタンパク質をとるには
強靭な胃腸の持ち主でないと難しいかと思います。
胃腸に負担ない範囲でタンパク質量を増やしていきましょう。

そして、糖質断食をしている間は冷えないように
足湯をして、足首・足裏をしっかりマッサージして見てください。
むくみも取れやすくなりますし、
重だるさも軽減するかと思います。
あくまでもこれはダイエット目的では無いですが、多分
痩せます(笑)
そして、普通に糖質的な食品、パンや果物を
食べた時に『甘〜〜〜〜〜い!!』と気づくかと。

とにかく、糖質の摂り過ぎを自覚して
体を軽くし、タンパク質を多めにとっていくことが
肉体を健康的に保つ秘訣かと思われます。

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2018/10/04

栗は身近な薬膳食材

栗は身近な薬膳食材

秋の味覚『栗』は身近な薬膳食材です。
中国の甘栗も、日本の甘栗も。
栗は何と言ってもエネルギー『気』に働きかけていく食材です。
胃腸の働きを活発にし、下痢しやすい体質改善に役立ちます。
食べ過ぎると便秘になることも考えられますので
気をつけましょう。
温の性質なのでお腹が冷えて下痢をしやすい方に特に
オススメです。体の中を温めていくエネルギーですね。
つまり『陽』の性質が強いのが特徴です。
また、先天の精『腎』の働きを補う補腎食材でもあるので
老化予防、足腰の強化に役立ちます。
女性では冷えて高温期が安定しない方に良いですね。

栄養学的な部分を調べてみると亜鉛や鉄も含んでいます。
亜鉛はホルモン分泌や髪の毛、肌にも良い影響を与えてくれます。
実際、薬膳でも男性機能を活性化する食材としても
登場しています。
男性って案外、下痢っぽい方多いですよね。

薬膳としては鶏肉と炊き込みご飯にしたり、おかゆにしたり
というのが多いようです。

また、カリウムも多いので、むくみや高血圧にも
良いとされています。

薬膳的に考えると全て『腎』に繋がります。

ちなみに性質・性味/帰経は温、甘/脾・胃・腎となります。

成長・発育・生殖・老化の人の一生を支える『腎気』は
身近な食材でコツコツ養い続けることが大切。
1回食べたらどうなるものではなく、毎日無理なくコツコツ。

季節の栗はおこわにしたり、渋皮煮にしたりも良いですが、
本日は焼きポン栗。
水に一晩浸して、魚焼きグリルでしっかり目に焼けば
鬼皮も渋皮も剥きやすいです。
焼く前に栗の表と裏に包丁で切れ目を入れておくことを
お忘れなく☆