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長野市にある漢方とハーブのお店なつめやブログ

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Dec.05 2018 | category:薬膳養生

月経前後の不調と食べ物

月経前後の不調と食べ物


月経前後の不調が『あ〜、しんどい』


月経前になるとイライラしたり、落ち込んだり、不安感が強くなったり
また、疲れやすいのに眠れないといった精神的な面での変調や
頭痛や肩こり、のぼせ感、便秘、やたらと甘いものを食べてしまうという
身体的な変化に悩む人は少なくありません。

精神的な変化も身体的な変化も
どちらもある、という方もいるし、
どちらかだけれどその変化が大きくて
毎月、月経が来るのが憂鬱・・・という方もいます。
月に一度やってくるこの時期が
快適になれば、デトックス時期になるのですが・・・。

こう言った月経にまつわる心身の変化を
東洋医学的に見ていくと、一つの原因にたどり着きます。

月経の不調は『血』の不足である『血虚』が原因???


月経というのは子宮内膜が剥がれて出血する期間です。
つまり『血』が体から失われていく時期。
『血』というものは栄養を体の隅々まで届けている液体となります。
出血している時期は『血』が不足してきます。
また、月経前も子宮に血が集まっていきますので
もともと全身的に血が不足している『血虚』という状態になると
栄養の不足によって体の様々な場所で影響が現れてくる、と考えることができます。
*血虚は貧血とは違います。その人の身体に必要な血の量が足りていない場合には
血虚となります。
参考:『血というもの』

『不通則痛(ふつうそくつう)』という考えてあり、巡りの悪い場所には
痛みが生じる、という意味となります。
血が不足することで巡りが悪くなるため足が冷えたり、腰が痛んだり
月経痛も強く出る傾向があります。血の巡りが悪くなることを
『瘀血(オケツ)』と言いますが、瘀血が悪化していくと
子宮や卵巣に病巣を作ってしまうこともあります。

また、脳に十分な血が巡らないと頭痛だけでなく不眠、
イライラ・不安、動悸などと言った精神的な変化も生じてきてしまうことがあり
体の変化だけではなく、心の変化が大きな負担になってしまうことがあります。

さらに最近では血が不足してくることで全身的に乾いて
月経前になると喘息がちになったり、抜け毛が増えたり
ということをご相談される方もいます。
様々な異なる症状ですが、原因は『血』の不足から生じている、と考えます。

原因は何から?東洋医学的視点から


もともと子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫、など子宮や卵巣に
何らかの原疾患があり、出血量が多い方や周期が短め(25日以下)になると
全身的な血の量が不足していく期間が長くなり
心身の不調が長引いていくことがあります。
子宮や卵巣にトラブルがないか検査をしておくのも大切です。
その他には、ストレスや疲れなどがたまるとホルモンのバランスが
乱れてしまうことがあります。
これは東洋医学的には『肝』・『脾』・『腎』の三陰に関わることになります。
簡単に説明すると、
『肝』は血を貯蔵している場所であり、気の巡りに関与しています。
気の巡りが改善すると血の巡りも改善しやすくなります。
『脾』は食べたものから気血を作り出し、巡らせている。
『腎』は先天の精であり生殖系の働きを調整しています
寝不足は腎を、ストレスは肝を、慢性的な疲れや食のトラブルは脾を
それぞれ傷つけます。

月経前のトラブルを軽くするための食事と生活養生

東洋医学では日常生活や食事を見直すことが大切となります。
ホルモンのバランスを戻すためには
肝・腎の働きを助けてあげることが大切です。
つまり、肝に影響するストレスを緩和し、腎を補う『補腎』を心がける、
ということです。
まず、肝の働きを助けてあげるには・・・
ストレスを緩和する、ということなんですが、それを
余り意識しすぎないことをお勧めします。
それよりも、ストレスを緩和するためには
『香り』が有効であると言われています。ハーブティーや
アロマ、食事などに香りの良いゆずやシソ、ハーブなどを
入れるようにすると良いかと思います。
気の巡りが改善すると血の巡りも改善され、月経痛や
月経前の頭痛、イライラ、不眠などが緩和されやすくなります。
参考:『ストレスが溜まった時に』
『女性ホルモンとハーブ』


次に『腎』の働きを助けてあげる『補腎』
大切なのは早く寝ること、そして黒い食べ物をできるだけ
食するように心がけることです。
腎の働きが改善されてくると月経のサイクルが整いやすくなったり
月経前の喘息、物忘れ、浅い眠り、夜中のトイレ、集中力の低下
などを軽減しやすくなります。
参考:『立冬』冬の始まりと養生
『先天の精と人の一生』


最後に『脾』の働きを助けて食べるものからしっかり
『血』を補えるようにしていきたいところ。
ただ、『脾』の働きが弱い人が実はとても多い。
元々の体質的に食べれるけれど吸収が悪い、食が細い、
ということもあります。こういう方は地道にコツコツ
血を補うものを積み上げるように食べていきます。

食べているものによって脾(消化吸収の働き)が弱まっているケースも
あります。
・冷えたもの、生物
・甘いもの
・油っぽいもの
などが脾の働きを損なうものです。例えば冷えたもの+甘い+油→アイス
になりますし、甘い+油→クリームといった具合。
特に甘みが強くなると、エネルギー過多になるのでイライラしやすく
なりますので気をつけてください。
そして、最終的には普段から『血』を補うものを食事に取り入れていってほしいですが、特に月経前からその辺りを意識していくと良いかと思います。
・肉・魚を含め血の色の濃い動物性たんぱく質
・野菜も色の濃いもの
・黒い食材(黒豆・海藻・黒ごま・黒米など)
・高タンパクな大豆製品(高野豆腐、納豆・・子宮筋腫などがある方は要注意です)
・卵
できるだけ冷えた食事は避け、バランスの良い食事、が基本ということです。

生活養生や食事は毎日の積み重ねなんです。
一回の食事を変えたからといって変化するものではなく、コツコツ
積み重ねていくもの。ストイックにやりすぎず、心地よく
続けていってください。
そうして、少しでも月経前後の憂鬱さから解放される
女性が増えることを願ってます☆

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