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長野市にある漢方とハーブのお店なつめやブログ

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Feb.24 2018 | category:養生

陰陽五行と春の養生

東洋医学では陰陽五行思想を元に季節ごとの暮らし方、一日の過ごし方
そして、それが人の体にどのような影響を与えるのかを教えてくれます。
春にはこんな自然の変化があるから、こんな風な生活にして、こういう食べ物を
食べ物がいいよ、ということを実践していくと、体が自然と調和して
季節の病気だけでなく、根深い病気の予防にも役立ちます。

さて、春にはどんな自然からの影響があるでしょうか?

春は『木』を象徴として、自然の植物が芽吹き、すくすく伸びる時期。
しかし一方で『春一番が吹いた』と言われるように『風』が強い時期です。
心地よい風は、気分がスッキリし足取りも軽くなりますが、『風』の強い日などは
風に紛れて色々なものが飛んできて、そのせいかなんとなく、埃っぽような、不快な感じがあったり、鼻水がぐずぐずしたり、といった体の不調が出てくることがあります。自然から受ける変化は心地よい状態、強すぎてしまえば体に悪影響を及ぼす
二面を持っています。

そして、その風というものが自然界中で吹き荒れるだけでなく、自分の体の中にも
吹く、ということを東洋医学ではいっています。
『自分の体に風が吹くわけないでしょ』と思うかもしれませんが、
実際の空気の流れは風の流れによって起きますが、体の中にも流れている
『気=エネルギー』の流れに変化が出てきます。
冬には体を寒さから守るため、『気』や『血』が体の中心部に集中しています。
それが温かくなるにつれ体の表面に近いところまで流れやすくなってきます。

冷たい空気が温まると上昇して、暖かい空気と冷たい空気の二層ができるように体の中にも気が上昇し始め、頭部は火照ったり、吹き出物、鼻づまりなど
熱っぽい症状が出やすく、イライラ・不眠といった精神的な変化も
出てくることがあります。それだけでなく自律神経の乱れからホルモンのバランスが
乱れ女性だと月経にトラブルが出ることもあります。
様々な不調は上半身、特に頭部に出やすいのが特徴です。
このように『体の中に吹く風』というのは実際には『気の上昇』を意味しています。

このような時期に心がける『生活のリズム=春の養生』は
ゆっくり深い呼吸をすること、ヨガのような身体をほぐすような運動を取り入れ
体の中の気血水の流れを整えはじめたり、夜はなるべく早めに寝る、といった
ごく普通のことをやるということです。どうしても、春になり、気が上昇すると
色々なことに気が散漫しがちになります。気を落ち着かせる、ということが
春の養生の中心となります。

そのほか食べ物では、冬の間に溜め込んだものを少しずつ解毒(デトックス)
していくものとして、春の苦味といえばフキノトウや旬の海藻などがおすすめです。
また、気の巡りを落ち着かせるというものでは春菊やセロリ、などのように香りの良い青ものの野菜が良いですし、気がなかなか晴れない、やる気が起きないというときは柑橘のものなどがおすすめ。

春の陽気にうまく乗り、一年の良いスタート・種まきをしていきましょう!